初回の記事で、バスケは攻撃回数と期待値で勝敗が決まり、フリースローが重要であることを理解してもらったと思います。
次に
フリースローを決めるポイントの2つ目はQE(QuietEye)トレーニング
を紹介しました。
今回はフリースローを決めるポイントの最後となる3つ目、PPRについて紹介したいと思います。
PPRとはプレ・パフォーマンス・ルーティーン(preperformance routine)のことで要はシュート前にやるルーティーン動作のことです。
NBAのフリースローのルーティーンで有名なのは
・ジェイソンキッドの投げキス
・ジェフホーナセックのほおを3回触る仕草
※ホーナセックはユタジャズにカールマローンやジョンストックトンがいたころのガードです
それぞれ意味があったようです。
キッドは奥さんへの投げキスで、
ジェフホーナセックは3人の子供への合図だったようです。
要は大事な人への愛してるの仕草なんでしょうね。カッコいい・・・
でこのシュート前のルーティーンですが、実はフリースローの確率を上げるかもしれませんのでぜひ試しに取り入れてください。流石に投げキスは難しいですが・・・「決まった動き」であればよいと思うので、NBA選手のマネでもよいと思います。
僕はスティーブナッシュが好きで、ナッシュのルーティーンは目立たないのでオススメです。
前回の記事でも書きましたが、ナッシュは50-40-90というエリートシューターの称号を4回達成した選手なので、参考にするのはもってこいだと思います。50-40-90は歴代8人しか達成していないし、複数回はラリーバードとナッシュしかいないので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。
普通の体育大学の生徒(バスケは体育でしかやっていないレベル)のAクラス:7名とBクラス:5名を対象としています。でAクラスだけPPRについての説明をしPPRを実践してもらい、Bクラスは普通に取り組んでもらっています。
実験期間は4か月。週1回90分の授業を14回実施しています。
つまりAクラスだけPPRを取り入れて授業でフリースローを練習しています。
結果はフリースローを20本打って、
・実験開始時は6.29本(31%)
・実験終了時は9.29本(46%) +15%
に改善したとのこと。
PPRを取り入れたBクラスはシュート技能向上が見られなかったとのこと。
もちろんこれはバスケ初心者向けの実験ですし、Aクラスは効果があるって聞いているために効果が出ている可能性があることは否定できませんが、15%も確率が上がるなら試してみる価値はあるかな、と。
この論文の中で実施されていたPPRは以下の7つの手順だったそうです。
紹介したルーティーンだと時間かかりすぎない?5秒オーバータイムが怖くない?と思ったあなた。ボールもらってからの5秒で考えていませんか?
まぁ論文の中のルーティーンだとボールを持ってからなんですが、、、笑
一つの工夫として、審判からボールを持つまでの時間を使えば10秒近く時間があると思うので、そこからルーティーンを始めればよいかなと。ナッシュのルーティーンはボール持つ前にやっていますよね!その意味でもナッシュは参考になるかと思います
→ギネス記録のように再現性が高ければ2750本連続も夢ではない?!
→Quiet Eye(視線固定)、つまりリングを見る時間が重要。
確率が26%上がるかも??
→シュート前のルーティーン動作をすることが重要。
確率が15%上がるかも??
QEトレーニングとPPRを実施するだけで単純計算で41%も確率が上がるかもしれませんので試してみる価値はあると思いますので、ゼヒ!!
次回はNBAが2021年シーズンからボールメーカーがSpaldingからWilsonに変わるらしいので、そのことに関するバスケ余談をやります。センサボールってご存じですか?
余談のあとはDF(ディフェンス)の科学をやりたいと思います。
最後まで見て頂きありがとうございます。次回以降もお楽しみに。
このブログは参考資料と、このブログの過去記事を元に考察したもので、あくまで一説です
参考論文:永田直也(2014).大学教養体育におけるPPRの技能練習への活用の検討